コロナ後のイベントはどうなっていくのか

■コロナ後のイベントはリアルかオンラインか

ワクチン接種もなんとか始まって少しは明るい兆しが見えてきたのでしょうか。私の周りの高齢者や医療従事者たちも予約ができたなんて話も聞くようになってきました。これがなんとか行き渡れば、また普段通りに外食が出来て、旅行にも行けて、カラオケでワイワイ騒げて、そんな世の中が戻ってくるのでしょうか。

それはまだもう少し先の事になるかもしれませんね。
イベント仲間たちの間でも「コロナが落ち着いたら前のように仕事が戻ってくるのか」という事が常に話題にあがります。ここの見解は人それぞれ違っています。

・絶対に戻ってくる派
⇒緊急事態宣言が明けて街に人が出てきて、飲食店が賑わっている様子をみると、人との関りを社会全体が求めているような雰囲気は肌で感じます。

・オンライン一辺倒派
⇒この1年でイベントだけでなく、公私ともに一気にオンラインに変わりました。オンラインの利便性を享受した人がリアルに帰ってくることはないという意見も一理ある気がします。

・どうなるかわからない派
⇒どこまで考えてもわからない(だからと言って何もしないとは違います)。実際答えは出ないですよね。。。

誰もが経験したことのないこの状況下でどれが正解だなんていう事はわからないのですが、自分なりの予想をしてみました。

■イベントの分類

一言でイベントと言ってもその種類は多岐に渡っています。
一番イメージしやすいのが、プロ野球やサッカーJリーグ、バスケBリーグに代表されるスポーツイベントや、フェスやライブコンサートなどの音楽イベント。
その他にも展示会や企業向けのセミナー、株主総会、会社説明会などの企業イベントや、幅を広げると結婚式や成人式、地域のお祭りもイベントです。
これらを一括りで考えるのではなく、2つの軸でグループ分けをして、それぞれのグループについてどうなのか考えてみました。
縦軸は参加の度合い(イベントに参加するか見るだけか)、横軸はイベントの対象です。


■リアルかオンラインかハイブリットか

上図で分類したグループごとに考察をしてみます。

〇Aグループ:何があってもリアル

参加者がその場にいないと成立しないイベントです。
昨年の今頃、試行錯誤の末、オンライン結婚式を企画しているニュースを見ましたが、今ではすっかり聞かなくなりました。
微妙だと思ったのが音楽フェスです。ライブと違ってアーティストだけでなく参加者がいてこそ作り上げられる雰囲気がフェスには必要ですのでAグループです。
リアルで体験できる感動こそがAグループに分類したイベントにはあります。

〇Bグループ:リアル優先だけど場合によってはオンライン

Bグループの多くはこの1年で実際にオンライン開催がされました。
私の感想としてはオンラインでも出来るけど、リアルの方が盛り上がるし効果がある。
昨年から今年にかけてオンライン展示会も数多く開催されましたが、幕張メッセや東京ビッグサイトでは感染症リスクを最大限減らす運営方法をとった上で、BtoB向けの展示会が数多く開催されている事が裏付けていると思います。
ただし、遠方の方や海外からも参加者を呼べるという利点をオンラインは持っています。特に全国規模で展開している企業の社員総会などは、オンラインを選択する場合もありそうです。

〇Cグループ:リアルとオンラインのハイブリット

コロナ以前からオンライン配信という考え方があったグループです。私は新日本プロレスが大好きで数年前から有料の配信サービスに登録をしていました。コロナになり会員数をさらに伸ばし、昨年末に過去最高の11万人に達したという記事を見ました。更に海外に目を向けてグローバルでファンを獲得しているのも特徴です。
ただし、イベントで得られる体験価値はリアルの方が勝っていますので、会場にはファンを集客しつつ、オンラインでもリアルに比べて割安な金額で視聴するファンもいるというハイブリッドになりそうです。個人的にはコロナ後、Cグループのイベントは積極的になり膨らんでいくと予想しています。

〇Dグループ:既にオンラインに切り替り済み

情報を受け取る事がメインとなるイベントのグループです。感動や共感、交流は必要なく自分がその場にいる必要は無く、知りたい内容がわかれば目的を達する事ができます。企業の会社説明会などは遠方の学生に参加してもらう事ができて、接触機会をより増やすことができます。実際に弊社もオンライン面接で新入社員を採用しました。
企業が開催するセミナーも見込み客のリードを獲得が主な目的になりますので、視聴者がより気軽に参加できるオンラインの方が圧倒的に効率がよいです。オンラインはリードの質が低いといった声も聞きますが、開催数を増やしてより多くのリードを獲得しているので、この点は問題にはなりません。
Dグループはオンラインが既に定着しており、今後も更に加速すると思われます。

■イベントで日本を明るく元気に

オンラインが日常に浸透しております。子供の習い事や小学校のPTA総会もテレビ会議を使います。そんな中でイベントもオンラインが主流になるという意見もよく聞きますが、私の考えはジャンルによってはリアルも戻ってくる(しかも意外と結構多い)です。
配信スタジオのブログでリアルが戻るなんて書いていいのかという声が社内から聞こえてきそうではありますが、我々制作会社に求められていることは、イベント制作だけではなくて、何が最適かどうやったらイベントの成果を最大化できるかを提案できることだと思っています。
そして何よりもこの1年ですっかり消えてしまった、心から感動できる体験や新しい出会いの場を作り、日本に元気を取り戻すことが使命だと思っています。